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FFその他日常のできごと


by Ashlain
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地図の魔法

「平面上、または球面上に記された地図を、隣り合う
国同士が同じ色にならないように塗り分けるには最低
いくつの色が必要か?」

…正解は4色。
どんな地図でもこれで塗り分けられるそうです。

本当に?


『四色問題』

ロビン=ウィルソン 著 / 茂木健一郎 訳 / 新潮社 刊







「平面上、または球面上のいかなる地図も、
隣り合う国同士が同じ色にならないように
塗り分けるには4色があれば足りることを証明せよ」

19世紀半ばごろに提示されたこの問題が、
『四色問題』と言われるものです。

一見単純そうに見えて証明は難しく、この証明が
最終的になされたのは100年以上が経ってからでした。

著者は、この問題の歴史をたどり、研究者たちの
様々なエピソードを紹介しています。
この研究者たちがなぜかエキセントリックな人物揃い。
数学者というのはそういうものなんでしょうか?

数学的な考証は途中から(それもかなり最初の方に近い途中から)
よくわからなくなりましたが、研究者の証明へのアプローチや
雑多なエピソードを読んでいくだけでもなかなかに楽しめました。


終章、ふたりの研究者がこの問題を証明します。
かつては考えられたことも無かった方法を使って。

「それは本当に証明されたと言えるのか?」という問いは、
おそらく未だ明確な答えを得ていません。

技術の革新が学問に与えた葛藤がどのようなものであったのか。
ちりばめられたエピソードと同じく、興味深い問題であるように思います。
by Ashlain | 2005-05-26 19:33 | 読書記録