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FFその他日常のできごと


by Ashlain
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小さな大量破壊兵器

カラシニコフⅡ
松本 仁一 / 著
朝日新聞社 刊  ¥1,470

前作「カラシニコフ」に続いて、
世界一有名な自動小銃・AK47を追ったルポルタージュ。

前作同様、さまざまな切り口からカラシニコフ小銃を映し出す
綿密な取材のしかたに好感が持てます。






1947年、旧ソ連で制式採用された自動小銃。
簡潔で単純な構造により、取り回しのしやすさと
メンテナンスの容易性を実現した優秀な小型武器。

ベトナムのジャングルからイラクの砂漠地帯まで、
使用する環境を選ばず確実に動作するタフさと
生産のしやすさにより、当時の東側諸国を中心に
世界のあちこちで生産された。

冷戦後、拡散したカラシニコフはアフリカや南米、
中東など、紛争の火種を抱えた地域に流れ込む。

前作で、アフリカの「失敗国家」を取材した作者が
今回は南米・アフガン・イラクを舞台にカラシニコフを
追います。

開発者(カラシニコフ氏)へのインタビューや
アフガンの「手作り銃器の村」もなかなかに興味深い
ものがありますが、個人的に一番印象に残ったのは
イラクの状況。

「国民が銃を手放さない限り治安は回復しない、
治安が回復しない限り国民は銃を手放せない」

手詰まりな状況がなんとも。
by Ashlain | 2006-08-25 20:35 | 読書記録